すぐに用意できるWordPressのオンライン開発環境: InstaWP

新しい機能がどんどん増えていく WordPress ですが、「試したいけど WordPress を用意するのが面倒」「今ある環境を汚したくない」といったことはないでしょうか。

そんなときに便利なのが、即座に新しい WordPress 環境を用意できるオンラインサービス InstaWP です。昨年は Automattic 社からシード資金を獲得ということでも話題になっていました。

無料で利用できるフリープランの場合、

  • 同時に3つまでの WordPress 環境を構築できる
  • 各環境の有効期限は 48 時間
  • 月に3回までは再有効化(Restore)できる

となっています。有料プランでは永続化、カスタムドメインなどの機能も提供されています。

アカウントなしでも使えますが、効率よく構築・管理するためにはログインして利用するのがおすすめです。アカウントは「Try for Free」から「Create Free Account」をクリックして作成できます。Twitter や Google アカウントとの連携も可能です。

InstaWPのトップページで「Try for Free」をクリックし、「Create Free Account」をクリックしてアカウントを作成する図

手っ取り早くWordPressを起動してみる

WordPress を用意するのは簡単です。InstaWP にログインしたら、「Add New」をクリック。default を選択して「Create Site」で作成します。

InstaWPでサイトを作成する図

数秒で用意されますので、「Magic Login」ボタンをクリックします。パスワードなどを入力しなくても WordPress のダッシュボードが開き、すぐに使い始めることができます。

InstaWPの「Magic Login」ボタンをクリックして、英語版のWordPressが起動した図

作成時に WordPress や PHP のバージョンを選択することも可能です。今だと、開発中の 6.2 Beta や Nightly も選べます。

InstaWPのWordPress作成画面で選択できる、WordPressのバージョンとPHPのバージョン

必要な開発環境をすぐに起動できるようにする

初期状態で起動する WordPress は英語版で、何も設定されていません。しかし、その都度設定を変え、環境を整えるのは面倒です。

そこで、「Configurations」で default 設定をカスタマイズします。たとえば、テーマ制作用の開発環境にするときは、「WordPress」の項目を次のようにして使っています。

WP_DEBUGや言語、プラグインの設定

ここでは、WP_DEBUG をオンにしてデバッグモードを有効化し、言語を日本語にしています。

標準で使えるようにしたいプラグインやテーマは「Pre-install plugins or themes」でスラッグを使って指定します。スラッグは公式ディレクトリのパスに含まれている値です。たとえば、「create-block-theme」と指定すると、Create Block Theme プラグインがインストール&有効化されます。

さらに、ダミーの記事や画像が必要な場合は「Faker」で設定できます。「Attachment Keyword」では画像のキーワードを指定します。

ダミーテキストやダミー画像の設定画面

これで、default を選択して WordPress を作成すると、プラグインやコンテンツがセットアップされた日本語版の開発環境が起動します(ダミーテキストは英語ですが)。

日本語版のWordPressが起動したところ。サイトを開くとダミーコンテンツが入っています

なお、各環境の「More actions…」の[Tools]には DB Editor(Adminer)や Code Editor も用意されています。これらを使うと、データベースの中を覗いたり、ファイルの追加・編集・削除などもできます。

データベースエディター(Adminer)やコードエディターを開いたところ。

このように、開発環境にほしい! と思う機能は一通りそろっていますので、とても便利です。

思い立ったらすぐデザイン… の実現にも

WordPress のツイートで紹介されていたように、「デザインのインスピレーションが湧いたらサイトエディターですぐに形にする」といった使い方も、InstaWP を利用すればすぐに実行に移せます。

「簡単に開発環境を用意できる」、「ベータ版をテストできる」といった使い方はもちろん、これまでになかった WordPress の新しい活用方法を模索していく上でも、InstaWP のようなサービスの存在は欠かせないものになりそうです。